歯周病

バイオフィルムとは、菌体外多糖からなるグリコカリックス(宿主の免疫力や抗菌薬も作用に抵抗)で覆われている細菌の凝集塊をいい、その代表的なものが付着プラークです。プラークは、1mg(湿重量)中に100,000,000個の細菌を含み、プラークが石灰化したものが歯石となります。歯石は有害物質としてグラム陰性菌が持っている内毒素(エンドトキシン)を含み、プラークを常に付着増殖させ歯肉に炎症を引き起こします。スケーリングは、歯面から歯石やプラークなど付着物を取り除くことであり、ルートプレーニングはプラーク細菌により汚染された表層のセメント質や象牙質を除去し、硬く滑沢な歯面を露出させる処置です。歯周基本治療から始まった一連の歯周治療が完了し、歯周組織の健康が回復しましたら、得られた治療効果を維持するメインテナンスが定期検診(PMTC)です。また、当院では、妊婦歯科健康診査、成人歯科健康診査、後期高齢者歯科健康診査の対象となっております。

保存可否の判断が困難な症例においても予後のクラス分けを行い、早期に抜歯、非抜歯を判断せず、hopelessの歯を選別したうえで歯周基本治療の再評価を行った後、治療計画を立てていくことで治療のゴールが見えてきます。

McGuire&Nunnによる5段階のprognosis(予後)のクラス分け

GOOD
適切なメインテナンスにより、容易にその歯が維持できる

FAIR
約25%のアタッチメントロス(臨床、エックス線写真による診断)
Class1根分岐部病変(メインテナンスしやすい形態)

POOR
約50%のアタッチメントロス
Class2根分岐部病変(困難をともなうが適切なメインテナンスが行える)

QUESTIONABLE
約50%のアタッチメントロス(歯冠、歯根比 不良)
歯冠形態不良
アクセスしにくいClass2またはClass3根分岐部病変
2度以上の動揺歯
著しい根近接

HOPELESS
維持するのに不十分なアタッチメントロス
歯周組織再生治療は保険適応です。